LOOVEE (ルーヴィー)Yoyogi Sunday’s Party @代々木公園ストリート 5月4日日曜日


LOOVEEフラッグ!↑


今回は去る5月1日にニューアルバム『LOVE&GROOVY』を全国リリースしたバンド LOOVEE(ルーヴィー)をレポートします。メンバー数が多いので、必然的に写真の数も多くなりました。

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今、ワタシ(Ken)の目の前に数葉の写真がある。5月4日日曜日に撮った写真である。


ステージのまん前でLOOVEEの演奏に合わせ歌い踊っている人たちがいる。中にはLOOVEEのロゴが入ったピンクや黒のTシャツを着ている人もいる。たぶん熱心なファンやサポーターなのであろう。皆さんニコニコと楽しそうだ。
後ろのほうで見ている通りがかりの人たちも、これまた満面に笑みを浮かべながら見ている。手拍子をしている人たちが少なからず見て取れる。ファンと思しき方々同様、何だかずいぶんと楽しそうだ。


LOOVEE のステージを一言で表現するとすれば「明るくて楽しい」ステージということになろうか。バンドとオーディエンスとがときに掛け合い、ときに一体となりながらステージが進んで行く。


これはワタシの持論なのだが、良いアーティストには必ず良いファンが付く。ファンやサポーターというのはアーティストを写す鏡のような存在であるといっても良い。「ファンを見ればアーティストがわかる」という意地悪な言い方もできるw。


実はこれ、前回レポートしたHITTさんと今回レポートしているLOOVEEを観て、改めて認識したことだった。


アーティストが描いてみせる世界に共感した人たちが集い始め、双方が価値観を共有し合う過程で少しずつ、しかし確実に独自の世界が築かれて行く。それを見、さらに共感した人たちがまたファンとなりサポーターとなり、どんどん輪が広がってゆくというプロセス。


LOOVEEにしても、HITTさんにしても、確実にファンやサポーターが、アーティストの周辺部にイイ雰囲気を醸成している。何とも気持ちの良い時間、心地よい空間が現出されているのだ。
良いアーティストには良いファンやサポーターが付くという所以である。


LOOVEEは、毎週日曜日のストリートショーを「Yoyogi Sunday’s Party」と名づけている。言い得て妙、まさに彼らのライヴショーは皆で楽しむ“パーティ”なのである。

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で、そのYoyogi Sunday’s Partyだ。


彼らに気付いたきっかけは、代々木公園わきの車道をまたぐ陸橋の横に張られた、何やらピンク色の派手な大きな旗、というか横断幕のようなものであった。とにかく目立つ。


「あの大きな旗に書いてあるアルファベット、何て読むんだろ。love に似てるけど・・・」
「バンドの人たちが着てる服、ずいぶんカラフルね〜☆」
「金髪のおねいさん、カワイ〜なぁ〜」

口々に勝手なことを言いながら、ピンク色の大きな旗に向かい、ビール片手に歩く酔っ払い約3名。


「真っ赤に燃ぉえたぁ〜、太陽だぁからぁ〜♪」
ん?
美空ひばり? 
「真っ赤な太陽」じゃん?
昭和歌謡の名曲、珠玉の作品だ。
なかなか迫力のあるヴォーカルである。
LOOVEEの織り成す世界へと、一気に引き込まれる。


「真っ赤な太陽」のあとは、ニューアルバム『LOVE&GROOVY』からのセレクション、そしてスタンダードな名曲のカバーとを取り交ぜながらステージが進んでゆく。



グリーンのヘアバンドが素敵です↑


ヴォーカリスト、ゴールデンヘアーの2人、P-sukeさんとKa-coさんが並んでフロントに立つと非常に絵になる。見栄えがするというか、カリズマティックと言っても良い。
曲の合間のおしゃべりがこれまた楽しい。2人のやり取りが何気に素敵だ。



P-suke 氏。イイ感じです↑


楽しいおしゃべりはフロントの2人だけではなかった。
ドラムのYuttyさん、どことなく芸術家肌というか、特に演奏中は近寄りがたい雰囲気で、ウチのひろぴぃなんか「あのヒト、何かコワい」とか言っていたのだが(まあそれはそれで面白かったのだけれどもw)、話し出すとかなりオモシロイ人であることを発見。
酔っ払っていたせいもあり、Yutty さんの一言一言にゲラゲラ笑っていたワタシであった。



芸術家然とした風貌ながら、実はとっても気さくで面白い人でした↑


バディ・ホリー、またリンダ・ロンシュタットで有名な「It’s So Easy」のイントロではブラス担当、トランペットとサックスのお2人がコーラスに参加、シンガー2人を含めた4人でのゴージャスなコーラスワークがなかなか聴かせた。この曲や「君の瞳に恋してる」(Can’t Take My Eyes Off You)ではファミリーで観ていた外人さんたちも体を揺らして楽しんでいた。もちろん子供たちもフル参戦であるw。



ベース、トランペット、サックス3人衆。キマってます↑


アキラはすっかりKa-coさんが気に入ったようだ。聞けば彼女のしかめっ面が気に入ったらしい。
笑顔が可愛いというのなら良くわかるけど、何でまた渋面なの・・・?
「あのね、しかめっ面が可愛い人は本当にチャーミングな人なんですよ」
独自の哲学らしいw。


ひろぴぃがこれまた不思議なところに目を付けていた。
「あの子、身体全体の動きがとっても自然でしなやか。手の指先までがきちんと表現してる」
手の指先が表現してる・・・?
( ゚д゚)ポカーン。
よぐわがんね。
説明してクレヨン。
「彼女、たぶんダンスをやってたんじゃないかな。ダンスって全身表現の芸術だからね、たとえ指1本っていっても重要な表現パーツなの。あのなめらかな動きは一朝一夕では作れないわよ」
正直まだ良くわからないが、子供のころクラシックバレエを2年ばかりやっていた女子から見ると、こういうコメントが出るようだ。
もちろん、動きがしなやかだったことは確かだし、ワタシでもそのあたりはわかりますよ、はい。



華があります↑


若干雨もようの空をにらみつつ、休憩をはさんで次のステージが始まった。
オープニングはEW&Fことアース・ウィンド&ファイアの「September」(セプテンバー)であった。


この曲、聴いている限りにおいては結構さらっと聴けてしまうのだが、演奏するほうに回ると結構難しい曲だということがわかる。
何がポイントかというと、やはりあの軽快なグルーヴ感をきっちり出せるか否かというところだろう。CDを聴いて耳コピするとか、あるいは譜面を見ながらそのとおりに弾くとかはできたとしても、その奥にあるあのグルーヴをバンドとしてしっかり打ち出せるかどうかは別問題だったりする。
要するに、ヘタをするとグルーヴ感の乏しい、音の表面だけをコピーしたような、薄っぺらな仕上がりになってしまうのである。


そもそもEW&Fというバンドは、この曲に限らずグルーヴを非常に重要視していた。“グルーヴ”を日本語で平たく言うと“ノリ”ということになろうか。
彼らの大ヒット曲のひとつに「Let’s Groove」(レッツ・グルーヴ)というズバリなタイトルの作品があるけれども、あれに限らず、EW&Fの曲すべてに共通していたのはグルーヴ、つまりはリズムのノリの良さであった。


で、「September」である。
LOOVEEは原曲のグルーヴ感をほぼ完璧に再現していた。これは特筆に価すると考える。
彼らのニューアルバムのタイトル『LOVE&GROOVY』にある、“groovy”はダテではなかったようだ。


ワタシが思うに、EW&Fの、あのグルーヴをきっちり出せるかどうかは、主にドラム、ベース、ギターにかかっている。「September」という曲に限っていえば、特にベースとギターカッティングがキモだとにらんでいるのだが、LOOVEEの両プレイヤー氏はしっかりと仕事をこなしていた。


かのギタリスト氏、見た目はポップでオチャメなのだが(失礼)、オリジナルを含む他の曲でもさりげなく渋い、スナップの効いたリズムカッティングをキメており、かなりのテクニシャンと見た。ジャズ系、フュージョン系のギターを弾いてもきっちりこなしそうなお方である。
エフェクターなども過剰には使わず、必要なところで効果的に使っているという印象。個人的には「爽快ジェット」という曲のカッティングがかなりツボで気持ち良かった。



演奏中、一瞬見せる真剣なまなざし。プロフェッショナルです↑


ところで。
今からちょうど2年前、2006年5月、フジテレビで「ザ・ヒットパレード〜芸能界を変えた男・渡辺晋物語」なるドラマをやっていた。2時間ずつ2日間連続放送の、スペシャルプログラムである。
このドラマは渡辺プロダクションことナベプロの社長で、もともとはジャズコンボのベーシストでもあった渡辺晋氏の生涯を描いた作品だったのだが、エンタテインメントとはそもそも何なのか、その基本を考えるには格好の材料だった。


渡辺氏は、エンタテインメントの基本、すなわち:
1.  いかに人を楽しませるか
2.  いかに人をおもしろがらせるか
3.  いかに人を感動させるか
等を常に徹底的に考えていたそう。
その過程で色々と有力な新人を発掘し、テレビの黎明期にテレビ局と二人三脚になって、芸能界を変えてしまうほどの偉業を成し遂げ、最終的には藍綬褒章を授与される。
歌手や芸人さん、ナベプロのスタッフやTV局スタッフ皆が皆一丸となって「いかにして人々を楽しませるか、おもしろがらせるか、感動させるか?」を追求していく展開はゾクゾクするほど面白かった。チームワークの素晴らしさとでも言おうか。


徹底されていたのは、音楽であれ、お笑いであれ、何であれ、とにかくステージに立って何かパフォーマンスをする人には、オーディエンスすなわちお客さんを楽しませる『義務』があるというスタンス。
お客さんを“エンタテイン”できないパフォーマーは、即退場っ!なのである。
ワタシが人のパフォーマンスを観る場合でも、やっぱり絶対に楽しませてほしいと思うし、にもかかわらず寂しいものを見せられたりしたら、もう(゚⊿゚)イラネになってしまうw。


さて、LOOVEE である。
ナベプロの渡辺氏が徹底して追求していたエンタテインメントの基本と、LOOVEEの音楽やステージパフォーマンスの根底に流れている考え方に、何か根っこを同じくするものを強く意識したワタシ。
このあたり、恐らく LOOVEE には哲学というか方針というか、とにかく根本的な考え方のようなものが核として存在し、それに基づいてプランが練られ、その結果、成果物としての楽曲やステージングが存在するのではないかと感じた。
オリジナルやカバーを問わず、どのような曲をどのようにやるにしても、この基本的、根本的な部分が揺らぐことはなく、絶対にブレることはないという・・・。


もちろんそこには音楽的にしっかりとした基礎、例えば歌詞を含む楽曲の根本的な質の高さやアレンジの良さ、歌唱力、楽器演奏のテクニックがあることは大前提である。
それらを基礎としつつ、「観ている人たちをタダでは帰さない。絶対に楽しませてやるぜっ!」というような目には見えない意思が存在するような気がした。


聞けば5月12日の渋谷クロコダイルを皮切りに、全国ツアー“LOVE&GROOVY TOUR 2008”開始とのこと。
これからどれだけの新しい人たちがLOOVEEの世界に魅了され、ファンやサポーターに変身して行くのか、けだし見ものではある。
LOOVEE、恐るべし。



三味線(?)のサウンドも自由自在、ハンチングが渋いキーボード様↑


<LOOVEEライヴスケジュール>
5/12(月)渋谷クロコダイル【東京】
5/18(日)宇都宮Big Apple【栃木】
5/21(水)さいたま新都心HEAVEN'S ROCK【埼玉】
5/29(木)表参道FAB【東京】
5/30(金)新横浜Bell's【神奈川】
6/7(土)宇都宮Hard Rock House【栃木】
6/9(月)神戸VARIT【兵庫】
6/10(火)大阪2nd LINE【大阪】
6/13(金)仙台HOOK【宮城】
6/15(日)いわきclub SONIC【福島】
6/16(月)渋谷DESEO【東京】※追加公演
6/20(金)新百合ヶ丘ROUTE66【神奈川】※追加公演
6/21(土)浜松FORCE【静岡】
6/27(金)高崎club FLEEZ【群馬】
7/4(金)六本木morph-tokyo【東京】
(Note: より詳しくは LOOVEEウェブサイトをご覧ください)


<ザ☆レビュ〜♪よりお知らせ>
次回は5月6日(火、祝)の代々木ストリートからレポートいたします。この日もなかなかおもしろいアーティストさん達がいましてですね・・・。

HITT @代々木公園ストリート 5月4日日曜日


ストリートらしく、通りをバックに歌う↑


ゴールデンウィーク真っ只中の週末、日曜日。
曇りがちで時たま小雨がパラつくという天気だった。
ザ☆レビュ〜♪はいつものメンバー、ワタシ(Ken)、アキラ、ひろぴぃの3名である。


いつもフリマが開催されているエリアにバイクを停め、代々木公園方面に向かって横断歩道を渡ったところでど〜んと目に飛び込んで来たのが、このHITT氏だった。


かなりのインパクト。
見た目の違和感・・・。
いや、この場合はネガティヴな意味の違和感ではなくて、まったくもってポジティヴな意味での“違和感”である。


つまり。
見た目が完全にロックシンガーなのである。
それも様式美追求系、いわゆるヴィジュアル系バンドのフロントを飾る男そのものなのである。
ゴリゴリのハードなロッカーではなく。
ところが、だ。
その音楽表現の方法が、キーボードの前に座っての弾き語りなのである。
見た目が完全にロックシンガーであるからして、いわゆる典型的な弾き語りのヒトとは“人種”が違うというのが一目瞭然。
このミスマッチが非常におもしろい。
自然と道行く人たちの耳目を誘う。


音楽的にはかなりのレベルを行っている。
まず何よりも圧倒的に歌がうまい。
渋いタイプの声ではなく、非常に明るく良く通る声だ。
声に張りと伸びがある。
華がありツヤがあると言っても良い。
ロック向けの声だ。
ヴィジュアルは・・・。
小学生のときにV6の追っかけ(モドキ)だったらしいwひろぴぃが、押し黙ってガン見してるという状況から悟ったw。
どうやら女ゴコロをしっかり捕らえるヒトのようだ。男には見えないオーラが出ているのかもしれない。



歌っているときの表情はもちろん、キーボードを弾くときの姿にも何気に風情というか雰囲気があったりする↑


アキラとワタシは“ヴィジュアル鑑賞”をひとまずひろぴぃに任せw、目の前のHITT氏が歌う世界の歌詞に聞き耳を立ててみた。
内容はストレートでまじめなものから、ちょっとギャグというかオチャメが入っているようなものまで、なかなかヴァラエティに富んでいる。
曲調もアップテンポなものから、スローでジャジーなマテリアルまで、これまたヴァラエティに富んでいる。
曲の合間のおしゃべりがこれまた結構聞かせる。
のちに知ったことだが、かつてはやはりバンドのフロントマンを務めていたとのこと、トークが上手いのも納得である。
話の内容から察するに、見た目はヴィジュアルでも、キャラはかなり男っぽい人だとお見受けしました。


ところで。
HITT氏の声を聴いている最中、ワタシの頭の中ではとあるロックシンガーの顔が脳裏に浮かんでは消えていた。
その名は森重樹一
日本のHR/HMシーンで、かつてちょっとしたムーヴメントを起したZIGGYのシンガーである。
HITT氏のロックな歌い回しとロックな声質、そしてロックなパフォーマンスが、ワタシの頭の中で森重のそれらと重なっていた。
「そういえば、4年前だったか、この近くにある渋公(渋谷公会堂。現CCレモンホール)のライヴに行ったな。後から出たライヴDVDには一瞬だけど俺も写りこんでいて感動したっけな〜」などとひとり思い出に耽るワタシ。


で。
代々木から帰宅してHITT氏のウェブサイトを見て、ワタシは椅子から転げ落ちそうになった。
何と尊敬するアーティストの一番目に森重の名前があり、二番目には森重の無二の親友といわれている清春の名前が・・・。
他にもダウンタウンブギウギバンドとか沢田研二とか、思いっきり渋い名前がてんこ盛り。
この渋いチョイス、玄人っぽいセレクションからしてHITT氏、タダ者ではあるまい。


実はワタシ、ZIGGYの大ファンで、『派手めな普段着』なんて今じゃ古本屋でも売ってないような本を持っているし、5年前の赤坂BLITZのライヴドタキャン事件では現場に居合わせたファンの連中と“意見交換”なんかやったりしたものだ。
そのZIGGYさん、去年の年末以来、現在活動休止中とか。
まったく・・・。


閑話休題
HITT氏にはすでにサポーターも結構いるみたいだし、歌の上手さ、ヴィジュアル、キャラ、他のアーティストにはない“意外性”→別の言い方をすれば強烈な“個性”などを武器にブレイクするポテンシャルをかなりのレベルで持っていると見た。
今後の展開がちょっと楽しみだったりする。


<ライヴ情報>

5/13 (Tue) 柏 ZAX
5/15 (Thu) 柏 JUDGE
5/18 (Sun) BIG HOP ガーデンモール印西
5/26 (Mon) 上野 SENSATION
5/27 (Tue) 本八幡 3rd STAGE
6/12 (Thu) 柏 ZAX
6/15 (Sun) 下北沢 BASEMENT BAR
テクマ!(音影亀柳院医九麿)復活ワンマンライヴにHITTがピアノでバックバンドメンバーとして参加します☆
6/22 (Sun) ギャラリーカフェ日和
7/1 (Tue) 柏 ZAX 
7/26 (Sat) 上野SENSATION
SUMMER NIGHT ワンマン HITT SHOW〜今夜はひとりぼっちじゃない 2008年

※より詳しくはHITT氏ウェブサイトへ行ってみよう !



非常にロックな雰囲気のヒトです↑



全体はこんな感じでした↑


<ザ☆レビュ〜♪予告>
次回は同じく5月4日のストリートから、LOOVEEのレポートをお送りしま〜す。
その次は5月6日のストリートから、さらに別の2バンドを予定しております。

5月4日日曜日@代々木公園

さて、今日も行ってまいりました、代々木公園沿いストリート。

前回はクルマで行って、大渋滞&P見つからずというエライ目にあったので、今回はバイク2台に3人分乗で原宿入り。
GWのせいか、人出は思ったより多くなかったものの、アーティストの数はほぼいつもどおりという感じ。

今回は何だかとても「楽しい」バンドに遭遇、HAPPY ! な気分にさせてもらいました。
あ〜、楽しかった!!

詳しくはまた後日・・・。

4月27日日曜日@代々木公園、その3。『Majellyca』(マジェリカ)の巻


バンド全景。オレンジ色のESPがストラップともども輝いてます。ギブソンと一緒にイイ音出してたな〜↑


4月27日日曜日、代々木公園のストリートで観た最後のバンドはMajellyca (マジェリカ)であった。4枚ほどの写真とともにレポります。

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何だか外人さんがたくさん集まっているなあ〜と遠くからながめつつ近づいてゆくと、どこからともなく綺麗なギターのツインリードが聞こえてきた。
んっ?
こりゃタダ者じゃないな。
「Ken さん、あーゆー音、大好きだよね〜」と笑うアキラを置きざりにして小走りにバンドの前まで急ぐワタシ。
そこには、メタリカばりのメタルポジションを取りながら華麗なるギタープレイをキメるギタリスト2人がいた。ミュージックマンギブソンサウンドが見事に絡んでいる。
メタリカさんといえば、10ン年前、この通りの後ろにある国立代々木競技場第一体育館で観たっけな〜とか思い出す。白と黒を基調としたステージはシンプルだったけど、サウンドはヘヴィでタイトで渋かった。
閑話休題
バンド名をMajellyca(マジェリカ)という。
2人のギタリストは揃ってフィンガリング(左手)、ピッキング(右手)ともに非常に正確である。2本のギターが完全にシンクロし、流れるようなメロディを奏でている。
ヘヴィメタルのギターには、案外クラシック音楽の要素が含まれていたりする。
老舗としては、18〜19世紀に活躍した名ヴァイオリニストでありギタリストでもあるニコロ・パガニーニに多くを学んだというイングヴェイ・マルムスティーンや、最近解散騒動で揺れるストラトヴァリウスのティモ・トルキなどが有名である。スピーディでテクニカルながらも哀愁のこもったメロディアスなフレーズが特徴といえよう。
そういえば、以前、フィンランドから来たクラシックのオーケストラを初台のオペラシティで観たときのことだ。
総勢10人近くのバイオリンやヴィオラの奏者が、ときにユニゾンで、ときにハーモニーを奏でながら延々と長いメロディパートを弾く場面があった。
さすがにクラシックだけあって、演奏者全員の技量は高く、かなり長い時間だったにもかかわらず、全員が音程やリズムの正確さを保ちつつ完璧にシンクロさせながら弾き切っていた。
どっかでハズす奴やトバす奴がいるかもしれない、そしたらウザいなとか緊張していたのはむしろ聴いていたこちらだったような気もするw。
で、だ。
今目の前にいるヘヴィメタルバンドのギタリスト2人はあのオーケストラのバイオリン奏者たちを想起させるような、ほぼ完璧にシンクロさせたツインリードを展開している。スリリングでかなり複雑なメロディではあるが、ブレること、ズレることはない。
こいつらやるじゃん・・・。
女子2人が何やら囁いている。
「あの子、すごいね」
「うん、ホント」
ひろぴぃとミモちゃんが指差すほうを見る。
ヨーロッパの童話に出てくるような感じの、ちょっと不思議な雰囲気をかもし出している女の子がドラムを叩いている。
決してたくましいタイプではない。
むしろ華奢なタイプだ。
それなのに、叩き出しているビートはメタルバンドのヘヴィなリズムを刻むに十二分なレベルだ。ときにスティックを右手でくるくると器用に回している姿がちょっとイキだったりする。
ベーシストはハットを目深にかぶり、ドラムとともにきっちりとバンドのボトムを支えている。
唯一ちょっと残念だったは、ヴォーカルのレベルが若干低めで、良く歌が聴き取れないところか。
そんなことを思っていたら、隣にいた外人さんグループの一人、がっしり体型なのにロンゲの男が上体を前傾させてヘッドバンギングを始めた。朝シャンでもしてきたのか、見た目に似合わず甘い香りが漂ってきて、隣にいたザ☆レビュ〜♪の面々は思わず苦笑。
こちらがニコニコしているのを見たその外人さん、曲の合間でひろぴぃに話しかけてきた。
“Do you like this kind of stuff ?”
2人のギタリストを見ているうちに、Ken の脳裏に『トルコ行進曲』のメロディが浮かんできた。
この曲、ヘヴィメタル系ギタリストの間では知る人ぞ知るちょっとしたチャレンジ曲になっていて、日本でも少なからぬギタリストたちが色々なバラエティのアレンジで弾いていたりする。
もし、Majellycaのギタリスト2人があの曲を演奏したらキマるだろう。サビはツインリード、当然ハモリで・・・。
なんてことを妄想していたら、いつの間にかバンドの演奏は終わっていた。

さて。
Majellyca のみならず、侍チョップといい link age といい、音楽的な基礎のしっかりしたイキの良い旬のバンドを無料で観ることができる代々木公園ストリート。
贅沢な場所である。
ザ☆レビュ〜♪、引き続き週末は代々木を探訪の予定。
今度はどんなアーティストたちに遭遇できるのか。

Majellycaライブ予定>
5月5日(月、祝)、6日(火、祝)
ストリート。代々木にて。雨天や取り締まりの都合で中止の場合あり。

5月15日(木)
横浜 7th Avenue
open 6:00pm / start 6:30pm
Ticket:前売 2000円/当日 2200円(HR&HM系の4バンドの対バン)



ヘヴィメタルなギタリスト2人。ギブソンミュージックマンの相性は良い↑



ベースプレイヤー氏。ハットが渋いです。クールです↑



不思議な雰囲気のあるドラマー様↑

4月27日日曜日@代々木公園、その2。『侍チョップ』の巻


アニメのキャラみたい? いやいや、歌はどうして漢(おとこ)の世界です↑


前回は華麗なる女性ヴォーカルをフロントに頂くハードロックバンド、link age (リンクエイジ)を取り上げてみた。
今回は link age の次に遭遇した3ピースのバンド、怒涛のパワーを周囲に放ちまくっていた侍チョップである。数枚の写真と共にレポートをアップしてみよう。
ちなみに次回はハイスピードでメロディアスなツインギターが光るメタルバンド Majellyca (マジェリカ)を予定。


今回の代々木公園ツアーには、ザ☆レビュ〜♪友の会wから Ken、アキラ、ひろぴぃの3名が参加、プラスひろぴぃの後輩で華の女子大生ミモちゃんがゲスト参加、合計4名という陣容であった。
さて、我々が原宿駅方面に向かって歩いているときに遭遇したのが、このバンド侍チョップである。


実はワタシ(Ken)がこのバンドを観るのは今回で2度目だった。最初は3月の下旬、ほぼ同じ場所で遭遇している。


いつ見ても、とにかくヴォーカルとギター担当の男の個性がひときわ異彩を放つ。
けっこう長身。
どんぐりの笠のようなヘア
→結構さらさらw
太いフレームの黒メガネ。
派手なTシャツ。
ピンクのギブソン
たくし上げたGパンの足元は何とハダシである(破傷風大丈夫か?)。
しかし、全身何気に小ぎれいである。不潔感はない。
歌がどうの、サウンドがどうのという前に、まずはとにかくこの強烈な個性を放つフロントマンに釘付けになる人が大多数かと思われる。
ヴォーカルスタイルはある種パンキッシュ。
当然アクションは激しく、動き回っては3基ほど置いてあるツリーチャイム(別名バーチャイム)に蹴りをくれる。
ツリーチャイムたるもの、普通は静かに、かつ流れるように触れて「しゃりり〜ん・・・」と優しく可憐な音をかもし出すために使う・・・。
というのが少なくともこれまでのワタシの常識であった。
「しゃりり〜ん・・・」の余韻「・・・」までじっくり味わうのである。
しかし。
この人はバコンと蹴って「かしゃ〜ん」という、ちょっと悲鳴というか、人間の叫びに似たサウンドエフェクトを出している。
心の叫び。
いや、魂の雄叫びか?
バーチャイムを使った表現方法としては斬新である。要はこういうバーチャイムの使い方もあるということだ。


ところで。
一体何を歌っているのか。
何を歌で伝えようとしているのか。
耳を澄まして言葉をキャッチしてみる。ヴォーカルの声が良く通るので歌詞はちゃんと聞こえる。
よくよく聴けば、人間の生き様というか、どう生きるかを考えているというか、溢れんばかりにこみ上げてくる熱情に、自らの哲学を吹き込んだような歌詞である。感情的なようでいて、案外理性的なのである。


ほ〜。
詩に聞き入っていると、隣にいたミモちゃんがつぶやいた。
「何だかあの人、応援団の団長さんみたい。ちょっとコワい感じ」
「確かに女の子には激しすぎるかなぁ」
アキラがニヤニヤしながらミモちゃんの言葉を拾う。
「怖い? 男っぽいっていうのよ、こーゆーのは」
ひろぴぃには好印象の模様。
「歌ってる人、汗臭いけどとってもまじめな人だと思うわ」
ゴリゴリしてて、アメリカのガレージパンクみたいなスタイル。
感情を一方的に爆発させているような?
その実、歌っている内容には自らの哲学に基づいたメッセージがきちんと、確実に織り込まれている。
男臭いメッセージがちりばめられた歌詞は、それを歌うスタイルと併せ、少しく新鮮な響きをもたらす。


理屈は不要。
漢(おとこ)の世界。
一度観てみることを強くお薦めする。
週末、代々木公園わきのストリートに集合だ。



バーチャイム3連でございます↑


これは3月22日に撮影した写真。ピンクのギブソンを弾きまくる↑



これまた3月22日に撮影した写真。手前に座っている仲良さげなカップルがじっと聴き入っていたのが印象的だった↑



バンド全景。どっしりとしたベースとドラムが、音の上のほうを泳ぐヴォーカルとギターを支える↑

4月27日日曜日@代々木公園、その1。link age の巻


シャープな声とサウンドが代々木のストリートを震撼させます↑

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平成20年4月27日日曜日。天候、快晴。

快晴ピーカンな日曜の午後、原宿エリアにクルマで行くなんて発想自体が甘かった。とにかく渋滞、原宿に行くまでが大変で、その後はとにかく駐車場が見つからなくて一苦労、やっと見つかって代々木公園エリアにたどり着けたのはすでに3時を回ったころでありました・・・。

今回の参加者は、ザ☆レビュ〜友の会wメンバーの Ken、アキラ、ひろぴぃ、それからひろぴぃの後輩で華の女子大生ミモちゃんの4名でありました。代々木公園界隈は大賑わい、人が溢れかえってとにかくそこここで盛り上がりまくっていた。

さて、ちょっと遅めの時間に取材開始であったが、結局この日はロック系の3バンドに注目してみた。

最初に観たのが女性ヴォーカルをフィーチュアしたハードロックバンド、link age (リンクエイジ)

次に観たのは男3人、ひたすらパワフルな奴ら、侍チョップ

そして最後に観たのは、ハイスピードでメロディアスなツインギターが光るメタルバンド Majellyca (マジェリカ)

3バンドともホント個性がトンガってました。

本日は link age (リンクエイジ)さんの記事を、合計4枚の写真とともにアップしておきます。

クルマを降りた我々の目にまず飛び込んできたのはかなり派手なアクションでシャウトするおねえさんだった。彼女のパワフルでシャープな声と共に聞こえてくるドラムのスネアやシンバルの音がスコーン!と抜けて気持ち良い。

「カッコイーじゃん、あのコ!」
アキラが言えば、ひろぴぃもミモちゃんも興味津々といった風情でうなづく。
ショートヘアで厚底のブーツをはいた女の子がイキの良いハードロックをガンガン歌っている。名前を Taka さんという。

決して広いとはいえない路上ながら、使えるスペースを最大限に使って道行くオーディエンスにアピール。
うまい。
それに無条件でカッコイイ。
「うん、かっこいいし、色っぽい・・・。そうだ“カッコ色っぽい”んだよ、彼女わぁ!」
イイ言葉を思いついたと言わんばかりに、得意顔のアキラが大きな声で叫んだ。

「昔さ、SHOW-YA ってロックバンドがあってね、ほら、“ナオンの野音”を始めたバンドなんだけど」
「ショーヤ・・・ですかぁ? 知らな〜い、そんなバンド・・・。プリプリの同窓生とか?」
ひろぴぃにむげにされ、たそがれるワタシ(Ken)。
SHOW-YA のフロント、寺田恵子は当時、とにかく光っていたし、何よりも「カッコ良い」という形容がぴったりのシンガーだった。

ロックバンドたるものサウンドはもちろん、ヴィジュアル、ファッション、アクション、楽器のハンドリングや弾き方、その他もろもろ周辺部まで含めて、とにかくすべてがカッコ良くなければいけないという大いなる偏見wを持っているワタシ。
link age はバンドとしてそれらをすべてしっかり満たしているような気がした。かなりレベル高いです、はっきり言って。


シンガーの女性については「可愛い」とか「綺麗」とかも確かに重要。
しかし、ロックバンドたるもの、フロントを飾る女の子は何よりも「カッコイイ」が一番なのである。
ある意味、アキラの“カッコ色っぽい”という言葉もしっかり意を得ていると思う。
その Taka さん、みかん箱をひっくり返したような台の上で歌ったりもしていたが、あれなどは案外コロンブスの卵というか、人垣ができた場合とか後ろのほうで見ている人たちにとっては非常にありがたいだろう。

また、スケッチブックに書かれたインフォメーションやメッセージを見せて、最後のページを「Thank you」で締めていたのはちょっとしたアイデアか。

そういえば、演奏中、レスポール使いのギタリスト氏に外人女性が近づいてきて、並んで写真を撮ろうとしていた。お仕事中なんだから演奏終わってからにしたら〜?とこちらが思う間もなく、氏が快く並んでさりげなくポーズを付けてあげていたのが印象的であった。やはりカッコイイのである。ロックバンドなのである。

<ライブ情報>

◇日 程 2008年05月13日(Tue)
場 所 表参道 FAB
開 場 18:30 / 開演 19:00
前 売 2,300+D / 当日 2,500+D
ACT link age/ぐるぐる/YOKO/TAKAYO(ex.ZONE)/and more...

◇日 程 2008年05月30日(Fri)
場 所 渋谷 RUIDO K2
開 場 17:45 / 開演 18:15
前 売 2,000+D / 当日 2500+D
ACT linkage/Vevet butterfly/Shink/Ra/ and more...

演奏開始5分前(ぐらい)。セッティング中でございます↓

キマりました。当然?↓

バンド全景。メンバーの皆さん、良く動く方々なので全員を収めるのがちょっと難しかったりしたw。↓