LOOVEE (ルーヴィー)Yoyogi Sunday’s Party @代々木公園ストリート 5月4日日曜日


LOOVEEフラッグ!↑


今回は去る5月1日にニューアルバム『LOVE&GROOVY』を全国リリースしたバンド LOOVEE(ルーヴィー)をレポートします。メンバー数が多いので、必然的に写真の数も多くなりました。

                  • -


今、ワタシ(Ken)の目の前に数葉の写真がある。5月4日日曜日に撮った写真である。


ステージのまん前でLOOVEEの演奏に合わせ歌い踊っている人たちがいる。中にはLOOVEEのロゴが入ったピンクや黒のTシャツを着ている人もいる。たぶん熱心なファンやサポーターなのであろう。皆さんニコニコと楽しそうだ。
後ろのほうで見ている通りがかりの人たちも、これまた満面に笑みを浮かべながら見ている。手拍子をしている人たちが少なからず見て取れる。ファンと思しき方々同様、何だかずいぶんと楽しそうだ。


LOOVEE のステージを一言で表現するとすれば「明るくて楽しい」ステージということになろうか。バンドとオーディエンスとがときに掛け合い、ときに一体となりながらステージが進んで行く。


これはワタシの持論なのだが、良いアーティストには必ず良いファンが付く。ファンやサポーターというのはアーティストを写す鏡のような存在であるといっても良い。「ファンを見ればアーティストがわかる」という意地悪な言い方もできるw。


実はこれ、前回レポートしたHITTさんと今回レポートしているLOOVEEを観て、改めて認識したことだった。


アーティストが描いてみせる世界に共感した人たちが集い始め、双方が価値観を共有し合う過程で少しずつ、しかし確実に独自の世界が築かれて行く。それを見、さらに共感した人たちがまたファンとなりサポーターとなり、どんどん輪が広がってゆくというプロセス。


LOOVEEにしても、HITTさんにしても、確実にファンやサポーターが、アーティストの周辺部にイイ雰囲気を醸成している。何とも気持ちの良い時間、心地よい空間が現出されているのだ。
良いアーティストには良いファンやサポーターが付くという所以である。


LOOVEEは、毎週日曜日のストリートショーを「Yoyogi Sunday’s Party」と名づけている。言い得て妙、まさに彼らのライヴショーは皆で楽しむ“パーティ”なのである。

                      • -


で、そのYoyogi Sunday’s Partyだ。


彼らに気付いたきっかけは、代々木公園わきの車道をまたぐ陸橋の横に張られた、何やらピンク色の派手な大きな旗、というか横断幕のようなものであった。とにかく目立つ。


「あの大きな旗に書いてあるアルファベット、何て読むんだろ。love に似てるけど・・・」
「バンドの人たちが着てる服、ずいぶんカラフルね〜☆」
「金髪のおねいさん、カワイ〜なぁ〜」

口々に勝手なことを言いながら、ピンク色の大きな旗に向かい、ビール片手に歩く酔っ払い約3名。


「真っ赤に燃ぉえたぁ〜、太陽だぁからぁ〜♪」
ん?
美空ひばり? 
「真っ赤な太陽」じゃん?
昭和歌謡の名曲、珠玉の作品だ。
なかなか迫力のあるヴォーカルである。
LOOVEEの織り成す世界へと、一気に引き込まれる。


「真っ赤な太陽」のあとは、ニューアルバム『LOVE&GROOVY』からのセレクション、そしてスタンダードな名曲のカバーとを取り交ぜながらステージが進んでゆく。



グリーンのヘアバンドが素敵です↑


ヴォーカリスト、ゴールデンヘアーの2人、P-sukeさんとKa-coさんが並んでフロントに立つと非常に絵になる。見栄えがするというか、カリズマティックと言っても良い。
曲の合間のおしゃべりがこれまた楽しい。2人のやり取りが何気に素敵だ。



P-suke 氏。イイ感じです↑


楽しいおしゃべりはフロントの2人だけではなかった。
ドラムのYuttyさん、どことなく芸術家肌というか、特に演奏中は近寄りがたい雰囲気で、ウチのひろぴぃなんか「あのヒト、何かコワい」とか言っていたのだが(まあそれはそれで面白かったのだけれどもw)、話し出すとかなりオモシロイ人であることを発見。
酔っ払っていたせいもあり、Yutty さんの一言一言にゲラゲラ笑っていたワタシであった。



芸術家然とした風貌ながら、実はとっても気さくで面白い人でした↑


バディ・ホリー、またリンダ・ロンシュタットで有名な「It’s So Easy」のイントロではブラス担当、トランペットとサックスのお2人がコーラスに参加、シンガー2人を含めた4人でのゴージャスなコーラスワークがなかなか聴かせた。この曲や「君の瞳に恋してる」(Can’t Take My Eyes Off You)ではファミリーで観ていた外人さんたちも体を揺らして楽しんでいた。もちろん子供たちもフル参戦であるw。



ベース、トランペット、サックス3人衆。キマってます↑


アキラはすっかりKa-coさんが気に入ったようだ。聞けば彼女のしかめっ面が気に入ったらしい。
笑顔が可愛いというのなら良くわかるけど、何でまた渋面なの・・・?
「あのね、しかめっ面が可愛い人は本当にチャーミングな人なんですよ」
独自の哲学らしいw。


ひろぴぃがこれまた不思議なところに目を付けていた。
「あの子、身体全体の動きがとっても自然でしなやか。手の指先までがきちんと表現してる」
手の指先が表現してる・・・?
( ゚д゚)ポカーン。
よぐわがんね。
説明してクレヨン。
「彼女、たぶんダンスをやってたんじゃないかな。ダンスって全身表現の芸術だからね、たとえ指1本っていっても重要な表現パーツなの。あのなめらかな動きは一朝一夕では作れないわよ」
正直まだ良くわからないが、子供のころクラシックバレエを2年ばかりやっていた女子から見ると、こういうコメントが出るようだ。
もちろん、動きがしなやかだったことは確かだし、ワタシでもそのあたりはわかりますよ、はい。



華があります↑


若干雨もようの空をにらみつつ、休憩をはさんで次のステージが始まった。
オープニングはEW&Fことアース・ウィンド&ファイアの「September」(セプテンバー)であった。


この曲、聴いている限りにおいては結構さらっと聴けてしまうのだが、演奏するほうに回ると結構難しい曲だということがわかる。
何がポイントかというと、やはりあの軽快なグルーヴ感をきっちり出せるか否かというところだろう。CDを聴いて耳コピするとか、あるいは譜面を見ながらそのとおりに弾くとかはできたとしても、その奥にあるあのグルーヴをバンドとしてしっかり打ち出せるかどうかは別問題だったりする。
要するに、ヘタをするとグルーヴ感の乏しい、音の表面だけをコピーしたような、薄っぺらな仕上がりになってしまうのである。


そもそもEW&Fというバンドは、この曲に限らずグルーヴを非常に重要視していた。“グルーヴ”を日本語で平たく言うと“ノリ”ということになろうか。
彼らの大ヒット曲のひとつに「Let’s Groove」(レッツ・グルーヴ)というズバリなタイトルの作品があるけれども、あれに限らず、EW&Fの曲すべてに共通していたのはグルーヴ、つまりはリズムのノリの良さであった。


で、「September」である。
LOOVEEは原曲のグルーヴ感をほぼ完璧に再現していた。これは特筆に価すると考える。
彼らのニューアルバムのタイトル『LOVE&GROOVY』にある、“groovy”はダテではなかったようだ。


ワタシが思うに、EW&Fの、あのグルーヴをきっちり出せるかどうかは、主にドラム、ベース、ギターにかかっている。「September」という曲に限っていえば、特にベースとギターカッティングがキモだとにらんでいるのだが、LOOVEEの両プレイヤー氏はしっかりと仕事をこなしていた。


かのギタリスト氏、見た目はポップでオチャメなのだが(失礼)、オリジナルを含む他の曲でもさりげなく渋い、スナップの効いたリズムカッティングをキメており、かなりのテクニシャンと見た。ジャズ系、フュージョン系のギターを弾いてもきっちりこなしそうなお方である。
エフェクターなども過剰には使わず、必要なところで効果的に使っているという印象。個人的には「爽快ジェット」という曲のカッティングがかなりツボで気持ち良かった。



演奏中、一瞬見せる真剣なまなざし。プロフェッショナルです↑


ところで。
今からちょうど2年前、2006年5月、フジテレビで「ザ・ヒットパレード〜芸能界を変えた男・渡辺晋物語」なるドラマをやっていた。2時間ずつ2日間連続放送の、スペシャルプログラムである。
このドラマは渡辺プロダクションことナベプロの社長で、もともとはジャズコンボのベーシストでもあった渡辺晋氏の生涯を描いた作品だったのだが、エンタテインメントとはそもそも何なのか、その基本を考えるには格好の材料だった。


渡辺氏は、エンタテインメントの基本、すなわち:
1.  いかに人を楽しませるか
2.  いかに人をおもしろがらせるか
3.  いかに人を感動させるか
等を常に徹底的に考えていたそう。
その過程で色々と有力な新人を発掘し、テレビの黎明期にテレビ局と二人三脚になって、芸能界を変えてしまうほどの偉業を成し遂げ、最終的には藍綬褒章を授与される。
歌手や芸人さん、ナベプロのスタッフやTV局スタッフ皆が皆一丸となって「いかにして人々を楽しませるか、おもしろがらせるか、感動させるか?」を追求していく展開はゾクゾクするほど面白かった。チームワークの素晴らしさとでも言おうか。


徹底されていたのは、音楽であれ、お笑いであれ、何であれ、とにかくステージに立って何かパフォーマンスをする人には、オーディエンスすなわちお客さんを楽しませる『義務』があるというスタンス。
お客さんを“エンタテイン”できないパフォーマーは、即退場っ!なのである。
ワタシが人のパフォーマンスを観る場合でも、やっぱり絶対に楽しませてほしいと思うし、にもかかわらず寂しいものを見せられたりしたら、もう(゚⊿゚)イラネになってしまうw。


さて、LOOVEE である。
ナベプロの渡辺氏が徹底して追求していたエンタテインメントの基本と、LOOVEEの音楽やステージパフォーマンスの根底に流れている考え方に、何か根っこを同じくするものを強く意識したワタシ。
このあたり、恐らく LOOVEE には哲学というか方針というか、とにかく根本的な考え方のようなものが核として存在し、それに基づいてプランが練られ、その結果、成果物としての楽曲やステージングが存在するのではないかと感じた。
オリジナルやカバーを問わず、どのような曲をどのようにやるにしても、この基本的、根本的な部分が揺らぐことはなく、絶対にブレることはないという・・・。


もちろんそこには音楽的にしっかりとした基礎、例えば歌詞を含む楽曲の根本的な質の高さやアレンジの良さ、歌唱力、楽器演奏のテクニックがあることは大前提である。
それらを基礎としつつ、「観ている人たちをタダでは帰さない。絶対に楽しませてやるぜっ!」というような目には見えない意思が存在するような気がした。


聞けば5月12日の渋谷クロコダイルを皮切りに、全国ツアー“LOVE&GROOVY TOUR 2008”開始とのこと。
これからどれだけの新しい人たちがLOOVEEの世界に魅了され、ファンやサポーターに変身して行くのか、けだし見ものではある。
LOOVEE、恐るべし。



三味線(?)のサウンドも自由自在、ハンチングが渋いキーボード様↑


<LOOVEEライヴスケジュール>
5/12(月)渋谷クロコダイル【東京】
5/18(日)宇都宮Big Apple【栃木】
5/21(水)さいたま新都心HEAVEN'S ROCK【埼玉】
5/29(木)表参道FAB【東京】
5/30(金)新横浜Bell's【神奈川】
6/7(土)宇都宮Hard Rock House【栃木】
6/9(月)神戸VARIT【兵庫】
6/10(火)大阪2nd LINE【大阪】
6/13(金)仙台HOOK【宮城】
6/15(日)いわきclub SONIC【福島】
6/16(月)渋谷DESEO【東京】※追加公演
6/20(金)新百合ヶ丘ROUTE66【神奈川】※追加公演
6/21(土)浜松FORCE【静岡】
6/27(金)高崎club FLEEZ【群馬】
7/4(金)六本木morph-tokyo【東京】
(Note: より詳しくは LOOVEEウェブサイトをご覧ください)


<ザ☆レビュ〜♪よりお知らせ>
次回は5月6日(火、祝)の代々木ストリートからレポートいたします。この日もなかなかおもしろいアーティストさん達がいましてですね・・・。